80年代ポップスを中心にSpotifyのプレイリストを作りました。
選曲はノーナ・リーヴスの西寺郷太さんの著書やラジオでの発言を軸に、80年代ポップスの濃度の高い80年代中頃を中心に、またリズムの変遷を体感できるように選んでみました。
以前、西寺郷太さんがラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』に出演された際、「80年代ポップスの始まりはSONYの初代ウォークマンが発売された1979年7月1日からである」と言っていました。
つまり、79年に発売されていても夏以降に発売されたマイケル・ジャクソンの『オフ・ザ・ウォール』やプリンスの『愛のペガサス』などは実質80年代ポップスだということです。
更に80年代前半の3大キーワードとしてウォークマン、VHS、MTVを挙げていました。
そして、明確に80年代的なものではない全く新しいものとして、1989年3月27日に発売されたソウル・II・ソウルの「キープ・オン・ムーヴィン」を挙げていました。
そして、80年代後半の3大キーワードとしてCD、クオンタイズ、ゴルバチョフを挙げていました。
ちなみにクオンタイズとはビートの量子化のことで、86年に発売されたジャネット・ジャクソンの『コントロール』以降、人間的な揺らぎのあるビートよりも均一化された機械的でクールなビート感覚が、急激にポップスへ取り込まれていき、HIP HOPが一気にオーバーグラウンド化するタイミングとも重なっていきます。
そして、マイケル・ジャクソンの妹であるジャネット・ジャクソンのプロデュースがジャム&ルイスといういわばプリンス一派というのも80年代ポップスの転換期としても非常にメルクマールとなる所以ではないでしょうか。
西寺郷太さんの一連の著書はそういった部分も非常に丁寧に描かれており、80年代ポップスの大きな流れを捉えるのにも最適なテキストです。